私たちの視点
年頭のご挨拶 (代表取締役 寺島裕晃)
2012年の幕開けにあたり、ご挨拶を申し上げます。
昨年は、3月の東日本大震災とそれに伴う原発事故にはじまり、長引くアメリカの金融不安、欧州連合のユーロ危機、バンコク周辺の工業団地を巻き込む大洪水、最後に金正日総書記の死亡と、将来への不安が募る一年だったと思います。
特に東日本大震災では多くの方が犠牲になられ、現在も仮設住宅などで不便な生活を強いられている方々も、まだ非常にたくさんいらっしゃいます。厳冬の折に大変なご苦労をされている皆さまには、改めてお見舞い申し上げます。
一方で、このような被災に際して、各国から様々な温かいご支援をいただきました。その中には発展途上国からのものが多くありました。例えば、決して豊かとは言えないブータンや東チモールから、それぞれ100万米ドルが義援金として贈られたそうです。また、モンゴルの国家公務員は、給料の1日分を日本に寄付することを申し合わせたと日経新聞に報じられていました。これまでに寄せられた義援金の総額からみると、その額は決して多くないかもしれませんが、精一杯の善意を寄せてくれたことに感謝したいと思います。このような海外からの善意は、これまで日本が行ってきた国際協力に起因するところも少なくないでしょう。まさに“情けは人の為ならず”ということかと思います。古来日本は大陸との交易を通じて発展してきたわけで、今後の日本の発展を考えると、アジアをはじめとする世界の国々との関係を良好に維持することが、ますます重要になってくるでしょう。そのためには先進国だけでなく、発展途上国に信頼され好意を持たれることが重要と考えます。
ODAなどの国際協力に関わる者として、各国の善意に感謝するとともに、こうした善意に恩返しができるよう、これからも一層業務に励んでいきたいと、新年にあたり改めて心に誓っています。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2012年1月1日
代表取締役 寺島裕晃
シニア向け国際協力セミナーを開催して (コンサルティング事業部副部長 星野高士)
アイ・シー・ネットは9月10日、JICA研究所で「シニア向け国際協力セミナー」を初めて開催しました。40歳から69歳まで参加者32名(1名欠席)という盛況なセミナーとなり、パネルディスカッションでは、海外ボランティア活動支援会(OVAS)から千田理事長と3名のシニアボランティア経験者の方に協力していただき、活発な質疑応答が行われました。グループに分かれてのワークショップでは、援助事業を評価するSWOT手法の知識のない参加者にも、目標を達成するため組織や個人の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の視点から分析するツールを説明すると、興味を持った皆さんから様々な意見が出され非常に盛り上りました。
今回のセミナー参加者は、様々な分野で豊富な経験を持った個性的なシニアの方ばかりでした。ODAのシニアコンサルタントを目指し自分のスキルアップを考えている方、JICAのシニアボランティアに応募し不採用になっても諦めず国際協力事業に貢献する道を探している方、国際協力は未経験だがこれまでの業務経験を生かして新たにチャレンジしようとしている方、既にシニアボランティアを経験し自らNPOの立ち上げを進めている方などが参加されました。
国際協力業界を目指すために (コンサルティング事業部副部長 多田盛弘)
私は、国際協力業界を目指してきた当社の多くの社員とは多少異なるキャリアを歩んできました。私の最初の職業は水族館の飼育係です。大学でも生物を専攻していたので、毎日生物とふれあう仕事は楽しく、実際の自然の中で働きたいと思い、ダイビングのインストラクターになりました。
コンサルティング事業部副部長 多田盛弘
東日本大震災の被災者へのお見舞いと復興へのご協力
3月11日に東日本を襲った巨大地震と大津波は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらし、2万7000人を超すとみられる多くの尊い命を奪いました。亡くなられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、いまだ行方の分からない人々が救出されることを心からお祈りいたします。真冬の寒さが続くなかで、被災された方々の多くが水や食料、燃料、衣類などの不足により、非常に厳しい避難生活を余儀なくされていることには、本当に胸が痛みます。被災された方々への救護・救援が十分に行き届くことを願ってやみません。
謹賀新年 (代表取締役 寺島裕晃)
皆様、明けましておめでとうございます。
2011年の年頭にあたりご挨拶申し上げます。
昨年の初めに申し上げた新年のご挨拶から、あっと言う間に1年が過ぎてしまいました。そのときは弊社の代表取締役に就任してから間もなく、右も左も分からないような状態でした。それから1年がたちましたが、あまり成長した実感もなく、相変わらず余裕のない私です。しかし、社員はじめ関係各位に盛りたてられて、2011年を無事に迎えることができました。旧年中の皆さんのご協力に心より感謝するとともに、本年も引き続きご指導、ご鞭撻をお願い致します。
さて、日本のODAは今後も縮小されていくようです。昨年末に決定された政府のODA予算案は、12年連続の減額でピーク時の1997年から半減してしまいました。ODA業界に関わっている我々にとっては非常に残念な状況です。特に「顔の見える援助」である技術協力分野を縮減するということは、世界の中での日本のプレゼンス低下を一層招くような気がします。日本の技術協力は、現地での人づくりに重点を置いています。このような活動は一朝一夕に成果が出るものではないかもしれませんが、中長期的に見ると対象国の自立的な発展に必要な技術者や行政官の育成に寄与し、現地での日本に対する親近感を増すことに役立っていると思います。我々が初めての国で仕事をする場合、最初はその国の一般的な感覚(常識)が分からず、まごついて仕事の段取りがうまくつかないことがよくあります。そういうときに助けてくれるのは、以前の技術協力で日本の支援や研修を受けたカウンターパートや研修生であることが多いのです。まさに国際協力をすることによって国際協力をしてもらってもいる、という気がします。しかし、急激な予算額の縮減は、せっかく育ってきた相手国の日本に対する信頼を損ない、不信感をつのらせる結果しか産まないと思います。
こう書くと、厳しい財政状況の中、まずは日本の経済を立て直すことが最重要、というご意見をいただくかもしれません。しかし現在、政府はオールジャパンで海外の事業開拓を目指しています。これは閉塞感のある日本企業を活性化させようとしてのことと思いますが、欧米や中国、韓国といった国々も同様に海外進出を積極的に仕掛けてきています。このようなライバル国に打ち勝って、新しい国で事業を成功させるためには、その国の基礎技術力を日本の技術と調和させた形で醸成したり日本のシンパを増やしたりすることが不可欠でしょう。したがってODAによる技術協力は、対象とする発展途上国の開発に寄与するだけでなく、日本企業の海外進出を成功させる礎としても大きな価値があるはずです。近視眼的に直近の成果を求めるのではなく、長期的視点に立って国際協力をどのように進めていくか、色々な検討を加えるのが政治の本当の役割ではないかと思います。
新年早々から、私のような若輩者が生意気な物言いをしましたが、日本の未来が明るい方向へ向かっていくことを祈念してやみません。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2011年1月1日
代表取締役 寺島裕晃
アイシーネット19期の開始にあたって (代表取締役 寺島裕晃)
アイシーネットの19期の事業年度が10月から始まりました。前18期は幸いなことに好調な事業実績を上げることができました。この場をお借りして、クライアントをはじめ当社の業務にご協力いただいた皆さまに御礼申し上げます。
創立から17年を経て、100人を超す社員を擁する企業にまで成長できたことは、望外の喜びです。その一方、海外援助業界の社会的責任が増していることを肝に銘じ、社員一丸となってより効率的でクオリティの高い業務を実施したいと考えています。
さて、昨今の新聞・テレビなどでは、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)での議論や、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への加盟の可否、尖閣諸島をはじめとする近隣国との領土問題など、国際関係の中で日本がどのようなスタンスをとるべきなのか、難しい外交の舵取りに関する論評が増えています。また長引く円高やデフレ不況の中で、海外に生産拠点や販路を求める日本企業の動きが活発化してきました。このような国際関係と密接にリンクしているのが、政府開発援助(ODA)事業です。そしてその一端を現場レベルで担っているのが、アイシーネットのような開発コンサルタントといえます。
しかし、これまでODAに関する一般社会の知識・関心といえば、青年海外協力隊によるボランティア活動への興味や、「知らない国の人々を助けるより、日本国内で困っている人々の救済が先だ」という批判が大半です。実際に開発コンサルタントがどのような活動・業務を行っているのか、理解している日本人はそれほど多くないように感じます。それは、国際関係、特に発展途上国との関係に留意しなくても、日々の生活や仕事をしていく上で支障が生じなかったことに起因しているのでしょう。
ところが、国内の厳しい経済環境を背景に、より安い原料や人材、新しい市場を求めて、中小企業も含めて日本の産業界の国際化が進んでいく中で、日本の外交の大きな柱であるODAのあり方やその意義、有効性や効率性について、社会の注目度もこれから増していくだろうと考えています。これまで一般的な関心が低かったことに胡坐をかいて、効率的・効果的な業務への追求が十分でなかった開発コンサルタント会社は今後、厳しい社会の目にさらされて淘汰されてしまうかもしれません。
アイシーネットは、引き受けた業務に高いクオリティを求めて、精一杯努力してきたと自負しています。これからも安易な妥協を退け、プロの意識と誇りを持って、発展途上国やその国の人々と日本との架け橋になれるように、努力する所存です。私たちの業務や活動について、皆さまにより一層分かりやすく発信していきたいと考えていますので、ご意見やご要望をいつでもお寄せください。
今後とも変わらぬご支援をどうぞよろしくお願いします。
2010年10月1日
代表取締役 寺島裕晃
開発援助と民間投資 (第一事業部長 芹沢利文)
アイ・シー・ネットでは、ベテランも若手も関係なく、「開発とは何か」、「国際協力はどうあるべきか」という議論が日常的に行われており、この自由闊達な社風こそが、この会社の長所の一つだと思います。
第一事業部長 芹沢利文
プロポーザルを作るということ (第二事業部長 河原工)
開発プロジェクトの現場での活動を多くの方に知って頂きたいと思いましたが、プロジェクトを実施するためには、プロポーザルを作成し、クライアントから選ばれなければなりません。このプロポーザルを作成することですが、あまり実情は知られてないと思い、この舞台裏の一端をあえて紹介します。
JICAからの発注で会社として一括してプロジェクトを請け負う場合、プロポーザルの分量は通常100ページを越えます。基本の構成は、プロジェクトをどうやって行うかという基本方針と実施方法、メンバーの経歴とこの業務に関しての強み、会社の実績や同様のプロジェクトの経験などです。これとは別に、現地での活動にどのくらいの予算が必要か、価格の見積りの作業があります。これらの作業を、JICAから指示書といって、プロジェクトの目標や想定される成果、主な活動など発注者の意図が書かれた文章が配布されてから、2週間で仕上げなければなりません。そのため、プロジェクトにかかわる予定のメンバー以外にも、2、3名が作成に携わります。
私自身、責任者として、数多くのプロポーザル作成に関わってきました。関係者は毎日遅くまで頑張ります。社内審査会では、審査者から厳しいコメントがでます。皆良いプロポーザルにするため、という想いからです。こうやって、できあがったプロポーザルには、愛着が湧きます。全てに受注できたらと思いますが、ここは勝負の世界です。残念な結果となることも私自身数多く経験しました。自信を持って作り上げたものが、選ばれなかった時は本当に残念でなりません。ただ、それは、どんな勝負の世界も同じでしょう。他方で、選ばれた時の喜びは格別です。
実は、プロポーザル作成に関わることは、たとえそのプロジェクトに参加できなくても、若い人にはとても良い経験になります。先輩コンサルタントのプロジェクトに対する考え方を学ぶ良い機会だからです。また、先輩コンサルタントも若い人たちの働きぶりも見ています。
このように、現地での活動だけでなく、日本でもコンサルタントは日々頑張っています。
2010年4月1日
第二事業部長 河原工
2010年の抱負 (代表取締役 寺島裕晃)
2010年の幕開けに当たり、ご挨拶いたします。
近頃では世情の説明や分析をするときに、“激動の”とか、“先行き不透明な”という枕詞を使ってしまうことが多いと思います。民主党政権の下で行われた“事業仕分け”による予算削減や国内公共事業の縮小や取りやめ、日本航空の再建問題など、2009年の暮れから2010年の始まりにかけて、これまで磐石と思われていた事業や企業が大きく揺れています。このような傾向は、ODAに関連する業界にも無縁ではないと思います。“事業仕分け”に関わるワーキンググループのコメントには、「JICA研究所は廃止・見直し」、「開発調査型技術協力は不要」、「協力隊の役割は終わった」、「無償協力に関してはタイド援助の見直し」など、これまでODAに関わってきた人間の目から見ると、ビックリするような文言が並んでいました。今後も我々ODA関係者にとって厳しい状況が続いていくことが予想されます。
一方、日本という国にとって、平和的な国際協力分野で世界をリードして行くことは、ますます重要になっていくはずです。経済大国の日本が、不況に喘いでいるとは言え、貧困国やそこに住む人々の現状に目をつぶり、自国の利益だけを追い求めていて良いはずがありません。また、世界的に先行きが不透明な時代であるからこそ、しっかりした国際協力を行っていくことで、発展途上国とよい良い関係を築いていく事が、将来の日本にとって非常に大切なことと考えます。私たちは、開発コンサルタントとして、そのような日本の重責をしっかりと自覚すると共に、納税者である国民の皆さんにもその意義を理解していただけるよう、効率的で効果的な義務を実施していきたいと思っています。それによって、世界の中で日本のプレゼンスを高めていくことに、少しでも貢献することができれば、これに勝る喜びはありません。
新年にあたり、上述のような我々の思いを記し、新年のご挨拶に代えさせていただきます。
本年もよろしくお願いいたします。
2010年1月5日
代表取締役 寺島裕晃
代表就任のご挨拶 (代表取締役 寺島裕晃)
このたび、山本前代表の後を引き継ぎIC Netの代表取締役に就任しました寺島裕晃です。代表就任にあたりまして、ご挨拶とともに、所信の一端を述べさせていただきます。
私は、国内調査会社を経て、1998年に当社に入社し、主に沿岸資源管理を専門としてアジアやアフリカを始めとする途上国開発に携わってまいりました。IC Net入社当時には、まさか自分が代表就任するなどとは夢にも思わなかったことですが、1993年10月の創業当時から当社の基盤を築き上げた米坂元代表、その基盤をより強固なものとした山本前代表に続き、今後のIC Netをいかに発展させていくか、その道筋を考えていくのが、現在の私の使命と考えています。
2008年後半の金融危機によって世界的に景気が落ち込む中、日本国内では、2009年9月に民主党政権が誕生しました。まさに国内外が大きく動き出している時と言えます。先行きが不透明な部分は多々ありますが、日本の国際貢献の役割が益々重要になってくることは確実でしょう。開発コンサルタントに求められる責任もさらに重くなっていくと思います。常にIC Netの基本理念を念頭に置きながら、何ができるのか、何をしなければならないのか、を考え続け、人々のためになるコンサルティングサービスを提供し続けていく必要があります。
現在、IC Netには、保健、教育、農業、林業、水産、環境、ジェンダー、ガバナンスなど、非常に多くの異なる分野の人が集まり、ODA事業に関わる調査・研究、技術指導、研修などの業務を実施しています。主なクライアントには、JICAや世界銀行・アジア開発銀行などの国際機関です。幸いにして、これらクライアントや開発援助関係者、活動の受益者である発展途上国の人々からも、IC Netは高い評価をいただいてきました。しかし、現状に安寧とすることなく、「人々が自分たちで考えて、自分たちの力で未来を切り拓ける社会」、「人々が互いに尊敬し学び合って共に生きる社会」を目指して、社員一丸となって、邁進する所存です。
2009年10月1日
代表取締役 寺島裕晃

