私たちの視点 : 2012年アーカイブ
三陸地方の復興に関して (代表取締役 寺島裕晃)
東日本大震災から1年以上が経過しました。しかし、三陸沿岸では、人々の想いとは異なり、なかなか思うように復興計画が進んでいない、という話をよく耳にします。実際にどうなっているのか、現地の皆様のお話をうかがいたいと思い、4月上旬に岩手県へ行ってまいりました。昨年4月、震災直後に訪問したときと比べると、道路は整備され、市街地の整地も進んでいました。復旧・復興に携わる皆様の大変なご苦労によって、被災地がだんだんと整備されてきていることが実感できました。しかし、集積地となった海岸に大量のがれきが山積みにされている場所も多く、また、地元の方々から、新しい地域振興計画や土地利用計画がなかなか決まらず、今後の生活を考えると大変不安である、というお話もうかがいました。震災から1年が経ちましたが、被災地の皆さんのご苦労はまだまだ終わってはいないのだ、と改めて実感した旅でした。
この1年間、ICNetが開発コンサルタントとしての経験を活用し、三陸地方の復興のお手伝いをするにはどうしたらよいかを考えながら、現地の自治体や住民の方々と会って話し合いをしてきました。その結果、津波による被害が大きかった沿岸地域では、主要産業である水産業が大きな打撃を受けており、この振興なくしては地域復興は大変難しい、というご意見を多くうかがいました。このため、全国漁業協同組合連合会やマリノフォーラム21にもお邪魔して、被災した地元漁協や漁業関係者のために、どのような協力、お手伝いをしていったらといのか、様々な形で意見交換を行ってまいりました。未曾有の大災害であったこともあり、なかなか政府の復興施策が定まらず、地元の皆様の嘆きや憤りにも多く接してまいりました。ようやく昨年11月に地域復興に主眼を置いた第3次補正予算が承認され、これからいよいよ様々な復興施策が実施されようとしています。この中で特に水産に関わる最重要施策として、「がんばる養殖事業」、「がんばる漁業事業」というものがあります。これは、地元漁民グループから新たな養殖・漁業事業を提案してもらい、それに対して援助金(貸付金)を支給するという事業が中心になります。この事業を進めるためには、まず現地の漁業者に事業計画を作ってもらわなければなりませんが、漁業者だけではなかなか難しいため、その作成支援を行うことが必要になってきます。ICNetでは、この事業の実施機関である水産業・漁村活性化推進機構に社員を出向させ、少しでも円滑に活動が進むお手伝いをすることにいたしました。
復興に向け多くの課題を抱える地方自治体や関係団体とのネットワークを構築し、沿岸被災地の漁民組織や住民の皆様のご意見をうかがいながら、復興支援に積極的に関わっていき、微力ながら三陸地方の復興に少しでもお役に立ちたいと考えています。
2012年4月27日
代表取締役 寺島裕晃
年頭のご挨拶 (代表取締役 寺島裕晃)
2012年の幕開けにあたり、ご挨拶を申し上げます。
昨年は、3月の東日本大震災とそれに伴う原発事故にはじまり、長引くアメリカの金融不安、欧州連合のユーロ危機、バンコク周辺の工業団地を巻き込む大洪水、最後に金正日総書記の死亡と、将来への不安が募る一年だったと思います。
特に東日本大震災では多くの方が犠牲になられ、現在も仮設住宅などで不便な生活を強いられている方々も、まだ非常にたくさんいらっしゃいます。厳冬の折に大変なご苦労をされている皆さまには、改めてお見舞い申し上げます。
一方で、このような被災に際して、各国から様々な温かいご支援をいただきました。その中には発展途上国からのものが多くありました。例えば、決して豊かとは言えないブータンや東チモールから、それぞれ100万米ドルが義援金として贈られたそうです。また、モンゴルの国家公務員は、給料の1日分を日本に寄付することを申し合わせたと日経新聞に報じられていました。これまでに寄せられた義援金の総額からみると、その額は決して多くないかもしれませんが、精一杯の善意を寄せてくれたことに感謝したいと思います。このような海外からの善意は、これまで日本が行ってきた国際協力に起因するところも少なくないでしょう。まさに“情けは人の為ならず”ということかと思います。古来日本は大陸との交易を通じて発展してきたわけで、今後の日本の発展を考えると、アジアをはじめとする世界の国々との関係を良好に維持することが、ますます重要になってくるでしょう。そのためには先進国だけでなく、発展途上国に信頼され好意を持たれることが重要と考えます。
ODAなどの国際協力に関わる者として、各国の善意に感謝するとともに、こうした善意に恩返しができるよう、これからも一層業務に励んでいきたいと、新年にあたり改めて心に誓っています。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2012年1月1日
代表取締役 寺島裕晃

