私たちの視点 : 2011年アーカイブ
シニア向け国際協力セミナーを開催して (コンサルティング事業部副部長 星野高士)
アイ・シー・ネットは9月10日、JICA研究所で「シニア向け国際協力セミナー」を初めて開催しました。40歳から69歳まで参加者32名(1名欠席)という盛況なセミナーとなり、パネルディスカッションでは、海外ボランティア活動支援会(OVAS)から千田理事長と3名のシニアボランティア経験者の方に協力していただき、活発な質疑応答が行われました。グループに分かれてのワークショップでは、援助事業を評価するSWOT手法の知識のない参加者にも、目標を達成するため組織や個人の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の視点から分析するツールを説明すると、興味を持った皆さんから様々な意見が出され非常に盛り上りました。
今回のセミナー参加者は、様々な分野で豊富な経験を持った個性的なシニアの方ばかりでした。ODAのシニアコンサルタントを目指し自分のスキルアップを考えている方、JICAのシニアボランティアに応募し不採用になっても諦めず国際協力事業に貢献する道を探している方、国際協力は未経験だがこれまでの業務経験を生かして新たにチャレンジしようとしている方、既にシニアボランティアを経験し自らNPOの立ち上げを進めている方などが参加されました。
国際協力業界を目指すために (コンサルティング事業部副部長 多田盛弘)
私は、国際協力業界を目指してきた当社の多くの社員とは多少異なるキャリアを歩んできました。私の最初の職業は水族館の飼育係です。大学でも生物を専攻していたので、毎日生物とふれあう仕事は楽しく、実際の自然の中で働きたいと思い、ダイビングのインストラクターになりました。
コンサルティング事業部副部長 多田盛弘
東日本大震災の被災者へのお見舞いと復興へのご協力
3月11日に東日本を襲った巨大地震と大津波は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらし、2万7000人を超すとみられる多くの尊い命を奪いました。亡くなられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、いまだ行方の分からない人々が救出されることを心からお祈りいたします。真冬の寒さが続くなかで、被災された方々の多くが水や食料、燃料、衣類などの不足により、非常に厳しい避難生活を余儀なくされていることには、本当に胸が痛みます。被災された方々への救護・救援が十分に行き届くことを願ってやみません。
謹賀新年 (代表取締役 寺島裕晃)
皆様、明けましておめでとうございます。
2011年の年頭にあたりご挨拶申し上げます。
昨年の初めに申し上げた新年のご挨拶から、あっと言う間に1年が過ぎてしまいました。そのときは弊社の代表取締役に就任してから間もなく、右も左も分からないような状態でした。それから1年がたちましたが、あまり成長した実感もなく、相変わらず余裕のない私です。しかし、社員はじめ関係各位に盛りたてられて、2011年を無事に迎えることができました。旧年中の皆さんのご協力に心より感謝するとともに、本年も引き続きご指導、ご鞭撻をお願い致します。
さて、日本のODAは今後も縮小されていくようです。昨年末に決定された政府のODA予算案は、12年連続の減額でピーク時の1997年から半減してしまいました。ODA業界に関わっている我々にとっては非常に残念な状況です。特に「顔の見える援助」である技術協力分野を縮減するということは、世界の中での日本のプレゼンス低下を一層招くような気がします。日本の技術協力は、現地での人づくりに重点を置いています。このような活動は一朝一夕に成果が出るものではないかもしれませんが、中長期的に見ると対象国の自立的な発展に必要な技術者や行政官の育成に寄与し、現地での日本に対する親近感を増すことに役立っていると思います。我々が初めての国で仕事をする場合、最初はその国の一般的な感覚(常識)が分からず、まごついて仕事の段取りがうまくつかないことがよくあります。そういうときに助けてくれるのは、以前の技術協力で日本の支援や研修を受けたカウンターパートや研修生であることが多いのです。まさに国際協力をすることによって国際協力をしてもらってもいる、という気がします。しかし、急激な予算額の縮減は、せっかく育ってきた相手国の日本に対する信頼を損ない、不信感をつのらせる結果しか産まないと思います。
こう書くと、厳しい財政状況の中、まずは日本の経済を立て直すことが最重要、というご意見をいただくかもしれません。しかし現在、政府はオールジャパンで海外の事業開拓を目指しています。これは閉塞感のある日本企業を活性化させようとしてのことと思いますが、欧米や中国、韓国といった国々も同様に海外進出を積極的に仕掛けてきています。このようなライバル国に打ち勝って、新しい国で事業を成功させるためには、その国の基礎技術力を日本の技術と調和させた形で醸成したり日本のシンパを増やしたりすることが不可欠でしょう。したがってODAによる技術協力は、対象とする発展途上国の開発に寄与するだけでなく、日本企業の海外進出を成功させる礎としても大きな価値があるはずです。近視眼的に直近の成果を求めるのではなく、長期的視点に立って国際協力をどのように進めていくか、色々な検討を加えるのが政治の本当の役割ではないかと思います。
新年早々から、私のような若輩者が生意気な物言いをしましたが、日本の未来が明るい方向へ向かっていくことを祈念してやみません。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2011年1月1日
代表取締役 寺島裕晃

