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私たちの視点 : 2011年アーカイブ

シニア向け国際協力セミナーを開催して (コンサルティング事業部副部長 星野高士)

アイ・シー・ネットは9月10日、JICA研究所で「シニア向け国際協力セミナー」を初めて開催しました。40歳から69歳まで参加者32名(1名欠席)という盛況なセミナーとなり、パネルディスカッションでは、海外ボランティア活動支援会(OVAS)から千田理事長と3名のシニアボランティア経験者の方に協力していただき、活発な質疑応答が行われました。グループに分かれてのワークショップでは、援助事業を評価するSWOT手法の知識のない参加者にも、目標を達成するため組織や個人の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の視点から分析するツールを説明すると、興味を持った皆さんから様々な意見が出され非常に盛り上りました。

今回のセミナー参加者は、様々な分野で豊富な経験を持った個性的なシニアの方ばかりでした。ODAのシニアコンサルタントを目指し自分のスキルアップを考えている方、JICAのシニアボランティアに応募し不採用になっても諦めず国際協力事業に貢献する道を探している方、国際協力は未経験だがこれまでの業務経験を生かして新たにチャレンジしようとしている方、既にシニアボランティアを経験し自らNPOの立ち上げを進めている方などが参加されました。

セミナーを終えたところで、改めて「シニア」とはどういう意味なのか考えさせられました。広辞苑では、年配者、高齢者、上級者の意味であり、JICAのシニアボランティアでは40歳から69歳までを対象とし、技能ボランティア海外派遣協会(NISVA)では50歳以上70歳未満としています。日本シルバーボランティアズ(JSV)では、シニアではなくシルバーを原則40歳以上と定義しています。国際協力に参加されるシニアの方は、ボランティア活動を理解し、途上国の地域の発展に役立つ技術・技能・知識を持つ健康な中高年齢者であることが条件であり、70歳を超えても、体力的・健康的に支障がなければ、国際協力への参加はできると思います。今回のセミナーを通じて、自分自身もシニアのど真ん中であることを再確認し、同世代の方の内からほとばしるエネルギーと向上心に頭が下がる思いがしました。
 
シニアの方にとって、もちろんJICAのシニアボランティアだけがシニアの国際協力の道ではなく、NGOやNPO、海外の国際機関そして民間企業のCSR活動など多方向に可能性は存在し、様々なアプローチが考えられます。このセミナーのような機会を通じて、同じような夢や志を持つシニアの仲間が集まり、意見交換・情報交換をしながら自分の進むべき道を再確認することで、有意義な時間を過ごしていただけたなら、非常に嬉しく思います。
 
当社では、シニアやシニア予備軍の方々に対して、個人の状況に応じた情報提供とスキルアップのための研修サービスを行っていくともに、シニアの方々の交流の創出とネットワークづくりをサポートしていきたいと考えています。これからも、シニアの国際協力への参加のための支援プラットフォームの形成を目指して、当社のできることを探しながら、進めていきたいと思います。
 
2011年10月3日
                                           コンサルタント事業部副部長 星野高士
 
 
                 

国際協力業界を目指すために (コンサルティング事業部副部長 多田盛弘)

私は、国際協力業界を目指してきた当社の多くの社員とは多少異なるキャリアを歩んできました。私の最初の職業は水族館の飼育係です。大学でも生物を専攻していたので、毎日生物とふれあう仕事は楽しく、実際の自然の中で働きたいと思い、ダイビングのインストラクターになりました。 

ダイビングインストラクターは非常に楽しい仕事でしたが、海の環境破壊を目の当たりにして、自然保護に傾倒していきました。そんな時に青年海外協力隊で国立公園での業務の募集があったので応募したのです。しかし今度は途上国での貧困を目の当たりにして、人の問題を解決しないで自然保護を叫んだところ何も意味がないことを痛感しました。
 
ただ、協力隊に入るまで国際協力など考えたこともなく、どうすれば関わっていけるか全く分からず、アルバイトで食いつないでいるときに見つけたのが現在所属しているアイシーネットの募集でした。私の潜水経験はほとんどの会社ではプラスにならないのですが、当社では水産分野の案件を多く実施しており、私の経験を珍しく評価してもらえました。私は国際協力には関心も興味もありませんでしたが、私の好きな自然を人の開発を通して守るということを考えたときに、それができるのがコンサルタントでした。
 
現在、私は採用にも関わることがあり、多くの人の履歴書をみたり面接をしたりしますと、漠然と国際協力に関わりたいという若い人があまりに多いと感じます。JICA、JPO、コンサルタントなんでもよいから国際協力に関わりたいという人もいるようですが、それぞれの業務内容や役割には大きな違いがあります。採用する方からみても、いい大学、大学院を卒業して高い語学力を持っている人はたくさんいるのですが、このような漠然とした思いしか持たない人はコンサルタントとして採用するのをためらいます。国際協力業界で働きたいと思う人は、まず自分が何をしたいのか、そしてそれを達成できるのがどの仕事なのかを見つめ直す必要があります。本当の開発援助を目指すならば、ODAの枠内だけでなく、民間からアプローチした方がよい分野も多いと感じています。国際協力業界以外も選択肢に入れてキャリアを考えれば、本当に自分にあった道が開けると思います。
 
2011年5月2日

                                         コンサルティング事業部副部長 多田盛弘

東日本大震災の被災者へのお見舞いと復興へのご協力 

3月11日に東日本を襲った巨大地震と大津波は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらし、2万7000人を超すとみられる多くの尊い命を奪いました。亡くなられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、いまだ行方の分からない人々が救出されることを心からお祈りいたします。真冬の寒さが続くなかで、被災された方々の多くが水や食料、燃料、衣類などの不足により、非常に厳しい避難生活を余儀なくされていることには、本当に胸が痛みます。被災された方々への救護・救援が十分に行き届くことを願ってやみません。 

微力ではありますが弊社でも日本赤十字社へ義援金の寄付を行いました。しかし、その他にも今後の復興のお役に立てることがないかと、震災以来日夜考えています。世界各地の途上国援助のお手伝いする開発コンサルタント会社の弊社は、天災や戦争の被害に遭った貧しい国々の地域社会について、その復旧や復興の支援にも尽力してまいりました。日本と途上国ではインフラの整備状況などで大きく異なるところもありますが、今回のような災害に遭われた人々や地域社会、自治体に対して、復興に際しての課題や計画立案で、参考にしていただける海外での事例や資料などがございます。今後、被災地の復興事業が開始されるときには、少しでもご協力させていただきたいと思っています。
 
被災地が一日も早く復旧し、被災された方々が心安らぐ生活を取り戻せますように心から願っております。
 
2011年3月22日
 
                                                                                          代表取締役 寺島裕晃
 

謹賀新年 (代表取締役 寺島裕晃)

皆様、明けましておめでとうございます。

2011年の年頭にあたりご挨拶申し上げます。

昨年の初めに申し上げた新年のご挨拶から、あっと言う間に1年が過ぎてしまいました。そのときは弊社の代表取締役に就任してから間もなく、右も左も分からないような状態でした。それから1年がたちましたが、あまり成長した実感もなく、相変わらず余裕のない私です。しかし、社員はじめ関係各位に盛りたてられて、2011年を無事に迎えることができました。旧年中の皆さんのご協力に心より感謝するとともに、本年も引き続きご指導、ご鞭撻をお願い致します。

さて、日本のODAは今後も縮小されていくようです。昨年末に決定された政府のODA予算案は、12年連続の減額でピーク時の1997年から半減してしまいました。ODA業界に関わっている我々にとっては非常に残念な状況です。特に「顔の見える援助」である技術協力分野を縮減するということは、世界の中での日本のプレゼンス低下を一層招くような気がします。日本の技術協力は、現地での人づくりに重点を置いています。このような活動は一朝一夕に成果が出るものではないかもしれませんが、中長期的に見ると対象国の自立的な発展に必要な技術者や行政官の育成に寄与し、現地での日本に対する親近感を増すことに役立っていると思います。我々が初めての国で仕事をする場合、最初はその国の一般的な感覚(常識)が分からず、まごついて仕事の段取りがうまくつかないことがよくあります。そういうときに助けてくれるのは、以前の技術協力で日本の支援や研修を受けたカウンターパートや研修生であることが多いのです。まさに国際協力をすることによって国際協力をしてもらってもいる、という気がします。しかし、急激な予算額の縮減は、せっかく育ってきた相手国の日本に対する信頼を損ない、不信感をつのらせる結果しか産まないと思います。

こう書くと、厳しい財政状況の中、まずは日本の経済を立て直すことが最重要、というご意見をいただくかもしれません。しかし現在、政府はオールジャパンで海外の事業開拓を目指しています。これは閉塞感のある日本企業を活性化させようとしてのことと思いますが、欧米や中国、韓国といった国々も同様に海外進出を積極的に仕掛けてきています。このようなライバル国に打ち勝って、新しい国で事業を成功させるためには、その国の基礎技術力を日本の技術と調和させた形で醸成したり日本のシンパを増やしたりすることが不可欠でしょう。したがってODAによる技術協力は、対象とする発展途上国の開発に寄与するだけでなく、日本企業の海外進出を成功させる礎としても大きな価値があるはずです。近視眼的に直近の成果を求めるのではなく、長期的視点に立って国際協力をどのように進めていくか、色々な検討を加えるのが政治の本当の役割ではないかと思います。

新年早々から、私のような若輩者が生意気な物言いをしましたが、日本の未来が明るい方向へ向かっていくことを祈念してやみません。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2011年1月1日                                           

                                                     代表取締役 寺島裕晃

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